相続手続き

相続手続きをしないとどうなる?考えられるリスクをまとめて紹介!

リスク
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相続手続きには様々な種類があり、各手続きに時間と労力がかかります。

このようなことから、必要な手続きを行わず、放置してしまっている方も多いです。

しかし、相続手続きを放置すると、様々なリスク・デメリットが生じる可能性があるため、できるだけ早く行うのがおすすめです。

この記事では、相続手続きを放置した場合のリスク・デメリットについて、詳しく解説していきます。

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1. 相続手続きをしない・忘れる人が多い理由

まずは、相続手続きをしない、あるいは忘れる人が多い理由について詳しく見ていきましょう。

1-1. 忙しくて手続きができない

冒頭でも解説したように、相続手続きにはかなりの時間と手間がかかります。

必要な書類を用意したり、手続きのために役所や金融機関などに足を運んだりする必要があるため、仕事や家事、育児などで忙しい場合は中々手が回らなくなってしまうこともあります。

また、忙しいという理由で放置していて、次第に相続手続きのことが頭から離れてしまうケースもありますので注意が必要です。

1-2. 遺産の存在や相続権があることに気づいていない

相続人が、遺産の存在や相続権があることに気づいていないケースも意外と多いです。

両親や祖父母などの場合、遺産の存在や相続権に気づきやすいですが、以下のようなケースだと気づかないこともありますので注意しましょう。

  • 叔父・叔母の相続人になっていた場合
  • 被相続人が遠方に不動産を持っていることを知らない場合

1-3. 相続手続きが面倒くさくて放置している

相続手続きと一口にいっても、相続登記や口座の解約、公共料金の名義変更や年金の受給手続きなど、様々なものがあります。

各手続きで必要な書類が異なり、時間もかなりかかるため、

「面倒くさい」

という理由で放置してしまっている方も多いです。

1-4. 課税が心配で手続きを躊躇している

相続において悩みの種となるのが「相続税」です。

中には、相続手続きをすることによって、相続財産の額を知られてしまい、課税の対象になるのではないかと恐れて手続きをしない方もいます。

また、相続手続きをせずに、こっそり現金を引き出して税金対策をする方もいますが、罰則やペナルティの対象になりますので、絶対にしないようにしてください。

2. 相続手続きをしない場合に生じるリスク7選

相続リスク

では次に、相続手続きをしない場合に生じるリスクを7つ紹介していきます。

2-1. 権利関係が複雑になる

相続手続きを放置してしまうと、次の相続が発生した際に権利関係が複雑になる可能性が高まります。

よくあるのは、次のようなケースです。

  • 相続人が増えて、調査や確定に時間がかかる
  • 付き合いのない親族同士で遺産分割協議や相続手続きをしなければならなくなる

相続関係が複雑になるにつれ、トラブルリスクも大きくなりますので、できるだけ早く手続きを行うことをおすすめします。

2-2. 相続放棄・限定承認ができなくなる

相続には、次の3つの方法があります。

  • 単純承認
  • 相続放棄
  • 限定承認

このうち相続放棄限定承認は、3か月以内に申告しなければなりません。

期限を過ぎた場合、自動的に「単純承認」となるため、負債を相続してしまう可能性が高くなるのです。

2-3. 相続回復請求ができなくなる

相続権を持たないにもかかわらず、あたかも相続人かのように振る舞い、他の人の相続分を侵害する人物がいた場合、相続回復請求が行えます。

ただし、相続回復請求は「相続人またはその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年」もしくは「相続の開始があった時から20年」が期限となっています。

期限を過ぎると「時効」となり、相続回復請求ができなくなりますので注意が必要です。

2-4. 親族の協力を得にくくなる

相続においては、相続権を持つ親族同士で話し合いを行う必要があります。

ただ、時間が経過すると相続人の気持ちや優先度が変わり、話し合いおよび手続きに協力してもらえなくなってしまう可能性があるのです。

こうなると、一部の相続人が手続きを進めたいと思っていても、スムーズに進められなくなってしまいますので、できるだけ早いうちに話し合いおよび手続きを行わなければなりません。

2-5. 遺留分侵害額請求権を失う

相続手続きを放置すると、遺留分侵害額請求権を失ってしまう可能性が高くなります。

遺留分とは、法定相続人に認められている、最低限の遺産取得分のことです。

例えば、被相続人が「愛人に全ての遺産を相続させる」という遺言を残していた場合でも、遺留分侵害額請求を行うことによって、愛人に対して遺留分に相当する金銭の支払いを請求できるようになります。

遺留分侵害額請求の期限は「遺留分権利者が、遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年以内」または「相続の開始があった時から10年以内となっています。

期限を過ぎると、遺産を一切返してもらえなくなりますので注意しましょう。

2-6. 遺産が消滅するリスクがある

遺産の種類によっては、名義変更が必要になるケースがあります。

名義変更をせずに放置していると、遺産が消滅する可能性がありますので注意してください。

消滅する可能性がある遺産は、以下4つです。

  • 預貯金
  • 不動産
  • 株式
  • 生命保険

遺産の消滅もしくはその他トラブルを防ぐためにも、できるだけ早く名義変更を行いましょう。

2-7. 追徴課税の対象になる場合がある

先ほど解説したように、相続手続きを放置してしまう方の中には、相続税を取られたくないと考えている方もいます。

ただ、相続税については期限までに申告をする義務があり「バレたくないから」という理由で放置していると、追徴課税をはじめとする罰則の対象になる可能性が高くなります。

相続税の申告は、相続が発生した時から10カ月以内と決められていますので、できるだけ早く行いましょう。

3.【要チェック】期限がある相続手続き一覧

では次に、相続手続きの中で、期限が設けられている手続きを一覧形式で紹介していきます。

期限を過ぎてしまうと、罰則の対象になったり、遺産が消滅したりする可能性が高くなりますので注意しましょう。

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3-1. 相続放棄・限定承認の申し立て

被相続人が多額の借金を残していた場合や、親族間での相続トラブルに巻き込まれたくない場合は、相続放棄もしくは限定承認の申し立てを行う必要があります。

この手続きは、相続人であると知ってから3か月以内に行わなければなりませんので、できるだけ早く手続きを進めましょう。

3-2. 準確定申告

被相続人が自営業者だった場合、あるいは不動産を所有していた場合などは、相続人が故人の代わりに確定申告を行う必要があります。

この手続きのことを「準確定申告」と呼びます。

準確定申告は、相続開始から4か月以内に行わなければならず、非常に時間のかかる手続きでもありますので、できるだけ早く着手するのがおすすめです。

自分で手続きをするのが難しいと判断した場合は、税理士をはじめとする専門家に相談しましょう。

3-3. 相続税申告

相続税の申告は、相続開始から10カ月以内に行う必要があります。

相続税には、「3,000万円+(600万円×相続人の人数)」の基礎控除額が用意されていて、基礎控除額を上回った場合は納税の義務が発生します。

相続税の計算や申告については、専門知識が必要であり、計算や申告に不備があるとやり直しになったり、ペナルティの対象になったりする可能性が高くなりますので、専門家に依頼するのがおすすめです。

3-4. 相続登記

不動産を相続する場合、相続登記という手続きが必要になります。

これまでは、相続登記が義務化されていなかったのですが、2024年の4月1日から義務化されており、相続開始を知った日から3年以内に手続きをしなければなりません。

手続きを放置すると、10万円以下の過料が科せられますので、できるだけ早めに行うようにしてください。

3-5. 生命保険金の請求

生命保険は、被相続人が死亡した日の翌日から3年で時効を迎えます。

つまり、3年経過すると保険金を請求する権利がなくなるということです。

仮に期限を過ぎてしまった場合、生命保険金を受け取れなくなってしまう可能性があるため、相続が発生したらできるだけ早めに請求を済ませておきましょう。

3-6. 埋葬料等の受給手続き

埋葬料葬祭費は、健康保険に対して請求できます。

ただし、請求期限が被相続人が亡くなってから2年間となっているため、早めに手続きを行わなければなりません。

ちなみに、被相続人が加入していた健康保険によって問い合わせ先が異なりますので、事前に確認しておきましょう。

請求先・問い合わせ先
  • 健康保険組合・協会けんぽ:被相続人が勤務していた会社
  • 国民健康保険:市区町村役場

3-7. 遺留分侵害額請求

遺留分の侵害額請求の期限は「遺留分権利者が、遺留分を侵害する贈与又は遺贈があったことを知った時から1年以内」または「相続の開始があった時から10年以内」と決められています。

時効を迎えた場合、遺留分侵害額請求ができなくなりますので、早めに進めておきましょう。

3-8. 相続回復請求

相続回復請求の期限は「相続人またはその法定代理人が相続権を侵害された事実を知った時から5年」もしくは「相続の開始があった時から20年」と決められています。

基本的には5年以内となりますが、時間が経てば経つほど手続きを忘れやすくなり、尚且つ「まあいいか」となってしまう可能性も高くなりますので、できるだけ早めに手続きを行うのがおすすめです。

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ご相談のみでも大歓迎ですので、相続手続きでお困りの方は、当事務所までお気軽にご相談ください。

5. まとめ

相続手続きには様々な種類があり、それぞれに専門知識が必要ですので、中には放置してしまっている方もいます。

ただ、相続手続きを放置すると、以下のような様々なデメリットがあります。

  • 遺産を失う可能性が高くなる
  • ペナルティの対象になる可能性がある
  • 相続手続きがスムーズに進められなくなる
  • 権利を失う可能性がある

不利益を被らないためにも、できるだけ早めに手続きを進めていかなければなりません。

とはいえ、相続手続きを全て自分で行う場合、かなりの時間と手間がかかりますので注意が必要です。

スムーズかつ確実に必要な手続きを進めたいという方は、相続手続きを得意とする「ノア行政書士事務所」にご相談ください。

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この記事を書いた人
野瀬 航平
野瀬 航平
ノア行政書士事務所代表
1995年3月生。中学校教員>娯楽業>賃貸仲介管理>不動産コンサル>2024年行政書士事務所開業 ■保有資格: 行政書士/宅地建物取引士/FP2級/賃貸不動産経営管理士 ■相続放棄された空き家を再生(利回り30%で運用中) ■第35回SASUKE出場

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